株主の皆さまには、平素より格別のご支援を賜り、厚く御礼申し上げます。

 

 

上場から2017年12月期までを振り返って:

 

現中期経営計画(2017年~2020年)初年度である2017年12月期は、想定を上回る進捗となり、営業利益率とROE の2つの経営指標を前倒しで達成することができました。2020年に達成すべき長期ビジョンを最初に発表したのは、2010年12月の上場直後でしたが、当時掲げた経営指標は、相当チャレンジングでした。時代が大きく変化していくことを前向きに捉えて、不安よりも未来への期待が大きかったことを思い出します。 事業を取り巻く環境は劇的に変化していきます。中期計画ごとに経営指標を見直しながら、社員と一丸となってビジネスモデルや組織風土の変革を次々と行ってきました。今は、目指すビジョンに対する執念ともいうべき意識が、上場を機に社内に育ち、経営指標の前倒し達成の原動力になったと感じています。上場後の2つめの大きな変化は、ガバナンスの変化です。ガバナンスは、一般的にわが社のような同族経営の弱点とも言われています。経営の透明性向上のため、2015年から社外取締役が経営に参画。さらに2016年からは取締役会の実効性評価を開始し、客観性確保の観点から、外部の評価機関にご支援いただきました。また評価プロセスには、グループ横断の経営幹部候補育成研修等の受講を終了した従業員が関わっています。これは、従業員の育成や評価に多面的な視点を導入することや、経営陣と従業員によるコミュニケーションの活性化を企図しています。経営会議のオブザーブならびに取締役会へのインタビュー等を通じて評価する、という当社オリジナルの評価手法です。社外評価、従業員評価に加えて、全取締役・監査役による「自己評価」を実施し、これら全ての評価結果を取締役会に報告。取締役会では、その内容を分析・検証して、取締役会としての機能及び実効性の向上に向けての具体的なアクションプランを議論するとともに、評価結果の概要もレポートとして、公表しています。こういった取り組みを継続することで、コーポレートガバナンスの高度化に努めています。

 

 

ビューティケア事業の変革:

 

2008年のリーマンショック以降のビューティケア事業は、基幹ブランドのポーラ・オルビスを中心に、スキンケア領域に注力、ブランドの存在感を高めてきましたが、その選択と集中が現在の業績につながっています。

2017年の代表例は、やはりポーラの「リンクルショット メディカル セラム」です。当初計画を30%上回る130億円の売上高となり、業績に大きく貢献しました。日本初承認となる「シワを改善※する」という商品特長により、新しい市場を創出し、化粧品事業にとどまらず社会全体にインパクトを与えた、とのお声もいただいています。新規のお客さまの増加や、既存のお客様の活性化が順調に進み、リンクルショット以外のスキンケア商品への波及効果(クロスセルなど)も顕著で、ブランド全体の活性化につながりました。長期的な安定成長につなげるべく、ブランドの浸透・プロフェッショナルなビューティーディレクターの採用・育成に向けた投資も行っています。オルビスは、1月に主力スキンケアシリーズである「アクアフォース」を全面刷新し、SNSを活用したお客さまとのコミュニケーションの強化に取り組みましたが、前期の広告宣伝費抑制による、お客様数減少の影響で、前年同期を下回る結果となりました。今後は、一貫したブランド発信とオムニチャネル化による顧客満足向上で、成長軌道への回復を目指します。育成ブランドは、引き続き好調です。THREEを展開する ACRO社は、秋に新たに3つのブランドを誕生させ、創業10周年を迎えたDECENCIAは、敏感肌専門の高収益ブランドビジネス実現にむけ、市場での更なるプレゼンス拡大を目指します。Jurlique・H20PLUSの海外ブランド2社は、現中期経営計画で掲げる黒字化必達に向け、計画通りに損失改善 を進めています。

※日本香粧品学会で定めた効能評価試験済み

 

 

安定的な利益成長による株主還元の充実を:

 

当社は引き続き、資本効率の向上と株主還元の充実に取り組んでまいりますが、2017年12月期のROEは14.2%、期末配当は1株につき45円とさせていただきました。 2018年から2020年までは、「当初の指標以上」を目指す方針を掲げ、毎期単年での計画を公表してまいります。2018年12月期の業績につきましては、連結売上高2,530億円(前年比+3.5%)、連結営業利益415億円(前年比+6.7%)と、9期連続の増収・営業増益を見込んでおります。年間配当は1株につき80円の予定です。2029年には、ポーラ創業100周年を迎えます。これからも安定的な利益成長による株主還元の充実を目指し、短期的な経営指標の完遂はもちろんのこと、常に未来を見据え、弛まぬ改革を続けてまいります。

 

株主の皆さまにおかれましては、今後も末永く当社グループへのご支援を賜りますようお願い申し上げます。

 

 

 

2018年3月
代表取締役社長
鈴木 郷史